1. 歯科衛生士 ミッキーの離乳食研究とは
こんにちは!歯科衛生士のミッキーです。
私は10年以上にわたって、赤ちゃんの「噛む力」を育むための離乳食研究を行っています。
その研究の結果離乳食からいきなり幼児食に移行するのではなく、「噛む子を育む」ためにはプレ幼児食®という移行食が必要だということがわかりました。
このブログでは、 今まで「一般的な離乳食」と「手づかみ離乳食」の違いについて、管理栄養士と共に研究を進め、一般的な離乳食から手づかみ離乳食への移行をまとめてきましたが、離乳食からプレ幼児食®に移行したので、これからはプレ幼児食®の検証をまとめていきます。
本日の研究テーマは「リアクション」です。
2. プレ幼児食®とは
離乳食完了期を迎えたからといって、すぐに大人と同じような幼児食へ進めることは難しいケースが多くあります。
お子さんが飲み込めているから大丈夫と思っても、それはちゃんと噛めているでしょうか?
一般的には、第1乳臼歯が生えたころに離乳食を卒業するお子さんが多いです。
しかし、第1乳臼歯が生えたころは、まだまだ噛む力が弱いため、大人と同じような食形態を噛むことは難しい時期になります。
こうした背景から、食育実践予防歯科®では、オリジナルな考えとして「離乳食」と「幼児食」の間に “橋渡しの時期” が必要だと考え、柔らかい食材と噛み応えのある食材が混在している、「プレ幼児食®」 です。
3.今日の離乳食研究:子どものリアクション
ここでいう「リアクション」とは、子どもが食べ物や環境に対して見せる反応のことです。
表情・声・しぐさにあらわれ、「おいしい!」「やだっ」「もっと食べたい」などのサインとして観察できます。
こうした反応を見ていると、子どもの成長や発達がよくわかります。
Aちゃん(1歳6ヶ月)の今日の様子
先月に比べ、Aちゃんはいろいろな反応を見せてくれました。
椅子に座って待っているとき、手を口に持っていき「まんまちょうだい」と空腹を伝えるようなしぐさが見られました。

蓮根の煮物を両手で持って、前歯でかじり取る様子が見られました。手づかみ食べを続けてきた成果ですね。
味噌汁の具にもやしを入れたところ、もやしが食べにくかったのか、口に入れて首を横に振りました。
でも「Aちゃん、もやしも食べてみようね」と声をかけると、手でつかんで口に入れ、食べることができました。
味噌汁の中のもやしが邪魔で汁が飲みにくかったのか、保護者に汁と具を分けるようにお願い。汁だけを美味しそうに飲み干し、最後に「あ~」と満足そうな声をだし「おかわり」と汁椀を差し出しました。
知能の発達を感じた瞬間でした。

片手で蓮根を持ち、もう片方の手で味噌汁椀を持って飲む姿も見られました。
左右の手で違うことをするのは、先月にはまだ見られなかった成長のサインです。

豆腐ハンバーグに触ると熱かったのか「あちち」と顔をしかめ、一度は触ろうとしませんでした。
しばらくして慎重に豆腐ハンバーグに触り、熱くないことを確認し、口に運びました。
保護者が硬さを確認しようと、テーブルに置いてある豆腐ハンバーグを手に取ると、Aちゃんは机を手でバンバンたたき、保護者を指さしました。
まるで「私のご飯を取らないで!」と怒りを伝えているようでした。
この様子を見て、喜怒哀楽がはっきりしてきたことを感じました。

4.まとめ
子どもの小さなリアクションを見逃さずに観察することで、
- 「食べたい」
- 「苦手」
- 「自分のものを守りたい」
など、子どもの気持ちや感情を理解することができます。
ママやパパが気づいて声かけをしたり、見守ったりすると、子どもの成長の瞬間をたくさん見られます。
さらに、こうした観察と声かけは「噛む力」や「手先の器用さ」「自分で考えて行動する力」など、今後の発達にもつながります。
年齢があがっていっても子どもの観察をし、見守り、適切なサポートをすることが親の役目ではないでしょうか。手づかみ食べは親が観察力を養うチャンスがいっぱいです。
離乳食からプレ幼児食®への移行期は、子どもにとってもママにとっても学びの多い大切な時期です。
小さなリアクションを大切にして、子どもの成長を楽しみながらサポートしていきましょう。

