赤ちゃんはいつから歯磨きが必要なの?

歯磨きをしてもらう赤ちゃんの写真

赤ちゃんの歯をむし歯にしないために必要なのは食生活を整えることと正しいお口ケアです。むし歯予防は、歯が生えてから対策しようと思いがちですが、実は歯が生える前からできることがたくさんあります。今回は、赤ちゃんの歯磨きをスタートする時期や、歯ブラシの選び方、ママ・パパも赤ちゃんも嬉しくなる歯磨きタイムにするためのブラッシングのポイントなどを紹介していきます。

目次

1、赤ちゃんの歯磨きはいつから?

①赤ちゃんの歯磨きは乳歯が生え始めたら

赤ちゃんの歯磨きは、ちょこんと小さな乳歯が生えてきた頃から毛がソフトな歯ブラシから始めましょう。多くの場合は下の前歯から生えてきますが、近年は歯の生える順番や時期は赤ちゃんによって違っていることも多くあるので、その辺はあまり気にしなくて大丈夫です。

②はじめての歯磨きはまず「慣れる」から

赤ちゃんの歯が生えてきたら、ガーゼではなく最初から赤ちゃん用の歯ブラシを使うことをおすすめします。最初は歯ブラシが赤ちゃんのお口に入ることに慣れてもらうことを目的とします。小さな歯を優しくちょこちょこと1秒程度みがけばOK!ブラシで歯を撫でるようなイメージです。

2、赤ちゃんが歯磨きに慣れるために…

しっかり磨くことよりもまずは歯磨きに慣れることが大切です。歯ブラシや歯ブラシを使う前にしておくこと、姿勢などを紹介していきます。口の中にモノが入る感覚に慣れてから歯ブラシを使う段階に進みましょう。

①歯みがきスタート前のタッチコミュニケーション

赤ちゃんのお口の中は特に敏感な場所です。タッチコミュニケーションをすることで、こころとからだの緊張が和らぎ、口に触ることを受け入れてくれるようになります。歯磨きタイムがストレスのない楽しい時間にするために、早い時期から触れられること、口の中にモノが入る感覚に慣れてもらえるといいですね。

タッチコミュニケーションは、からだ→お顔まわり→お口まわり→お口に中という順番で行います。そのあとでお口の中のタッチングをしてきます。お口の中を触れられることに慣れてもらうだけでなく、ママののぞき込む顔に慣れてもらう目的もあります。

タッチコミュニケーション、タッチングについては、「はぐかむ®おくち教室~ケアでお口を守るレッスン①0・1歳~」で詳しくお伝えしています。

②お口の中にママ・パパの指を入れあげる

タッチコミュニケーションのあとは、ママ・パパの指が赤ちゃんのお口の中に入ることに慣れてもらいましょう。赤ちゃんのお口の中は非常に敏感なので、ママ・パパの指は、おもちゃや歯ブラシなどのモノよりも優しい刺激になります。赤ちゃんが自分の指を舐める感覚に似ているため、赤ちゃんにとってもスムーズなステップアップとなります。

③おもちゃ舐め

おもちゃを舐めることは歯ブラシに進むための大切なステップですが、その前に赤ちゃん自身が自分の指や手を舐めるステップも欠かせません。指舐めが十分にできてからおもちゃ舐めが上手にできるようになってきます。

おもちゃ舐めは、自分の体の一部ではないものがお口の中に入ることが重要です。それが固形物を食べる離乳食にもつながっていきます。

おもちゃであまり遊んでいない子は、毛のある歯ブラシにびっくりしてしまうこともありますので、指舐め、おもちゃ舐めともぜひたくさんさせてあげてください。

④歯磨きの姿勢に慣れる

仰向けに寝かせママ・パパが覗き込む顔に慣れさせてあげてください。赤ちゃんの頭を膝の上に乗せて、「ばあ」とおどけて声をかけると赤ちゃんはとても喜びます。歯みがきタイムは楽しいもの、という意識付けにもなります。    

歯磨きの姿勢はいろいろありますが、横抱きをしたり赤ちゃんの頭を膝に乗せたり。一つの方法に囚われずに、まずは大人が赤ちゃんの口の中を見やすい位置や姿勢を試し、効果的に磨きやすい歯磨きの姿勢を見つけていきましょう。

⑤歯ブラシに慣れる

おもちゃが上手に持てるようになると歯ブラシも持てるようになりますので、おもちゃ舐めの時に、赤ちゃんがおもちゃを持つ様子をよく観察するようにしてみましょう。重すぎるものや細い形をもつのは赤ちゃんにとっては難しいです。リングがあるなど指が引っかかる形が持ちやすいのでおススメです。

この頃にとって赤ちゃんは歯を磨く意識はありませんので、歯ブラシをおもちゃのように持つことが慣れることにつながります。無理やり持たせるのではなく、おもちゃを自分で持ち始めたら、おもちゃと同じ感覚で歯ブラシを与えるとよいでしょう。

「ジョーダンステップ1」は歯ブラシと歯固めが一体化した形で、赤ちゃんがカミカミ遊びながら歯ブラシに慣れていくことができるのでおすすめです。

3、赤ちゃんの歯磨きは何でする?

赤ちゃんの小さな歯を磨くためには何が必要?一般的にはガーゼで歯をぬぐうことをスタートとしますが、わたしたちの考えは少し違います。赤ちゃんのお口ケアグッズは何を使えばよいのか、解説していきます。

①ガーゼ磨き

わたしたちは歯をガーゼで磨くことをおススメしていません。理由は、歯が生えたらすぐに歯ブラシを使うことで、赤ちゃんが早く歯ブラシに慣れてくれるからです。ガーゼは歯が生える前、お口の中をタッチングするときに使ってみてください。

②シリコンの歯ブラシ

シリコンできた指サック型やリング型のものがありますが、おススメではありません。シリコンで歯の汚れを落とすことは難しいからです。毛のおもちゃというのはなかなかありませんので、歯みがきタイムで毛のある歯ブラシがお口に入ることに慣れてもらうことが大切です。

③仕上げ磨き用歯ブラシ

赤ちゃんの仕上げ磨き用の歯ブラシは、

  • ヘッドの小さいもの
  • 柄が長く
  • 毛が細く密集しているソフトタイプ

を使いましょう。「マミー17」は使いやすく、おススメです。

④歯磨きをするときの注意点

  • 上の前歯
    授乳時に乳汁・ミルクが溜まってしまうところは上の前歯です。上の前歯が生えてきたらよく注意して見るようにしてみましょう。夜寝る時に授乳の習慣がある赤ちゃんは得に注意が必要です。
  • 力を入れすぎないで
    赤ちゃんのお口の中は非常に敏感です。ゴシゴシと強くみがかれたり、強い力で体を押さえつけられたりすると、赤ちゃんにとって歯磨きタイムが嫌なものになってしまう原因となります。特に上唇の裏のスジ(小帯)に歯ブラシが当たるととても痛いので気を付けて磨くようにしましょう。
    赤ちゃんの歯を撫でるくらいの力加減で大丈夫です。気をつけても力のコントロールが難しい方は、細い毛が密になっている非常に柔らかい歯ブラシ「クラプロックススマート」もおすすめです。
  • 歯磨き剤はいつから?
    赤ちゃんが使うのはまだまだ先のことです。歯みがき剤を吐き出せることが使い始める目安となります。フッ素入りの歯磨き粉は歯を強くする効果がありますので、うがいができない場合、拭き取ることをおすすめします。歯科医院でフッ素を塗布することもできますので、ご相談ください。

⑤歯ブラシが持てるようになったら自分で歯磨き

赤ちゃんが自分で歯磨きするというのは、ゴシゴシ歯磨きができなくてもいいんです。歯ブラシをお口の中に入れているだけでも、立派に自分磨きです。

少し未来の話になりますが、自我が広がる1歳後半からは、自分でやりたい気持ちを上手に引き出すことで、歯磨きがさらに大好きになってもらえるチャンスの時期でもありますよ。自分で歯磨きできたら、次は仕上げ磨きの流れの習慣を作っていきましょう。

  • 2歳くらいから自分でゴシゴシ
    2歳くらいはなんでも大人の真似をしたがる時期。歯磨きも自分でやりたいと思う頃です。自分で磨く歯ブラシは、ぜひお子さんと一緒に選んでみてください。
    自分で選んだお気に入りの歯ブラシを使うことで、歯磨きタイムをより楽しみにしてくれることでしょう。まだ自分で上手に磨けるわけではなく、歯ブラシを噛んですぐにダメにしてしまうこともありますが、「ゴシゴシ聞こえたかな?」と声をかけ温かく見守ってあげましょう。
  • 仕上げ磨きを忘れずに
    細かい部分を自分で磨くことはまだ難しいので、お子さんが自分で磨いた後には必ず大人が仕上げ磨きをしましょう。落としきれない歯垢(プラーク)を落としたり、お子さんのお口の中のトラブルを早期に発見できたりするだけでなく、ママ・パパとの楽しいコミュニケーションの場として有効な時間です。
  • 仕上げ磨きはいつまでする?
    小学校の高学年になると、気持ちの成長で仕上げ磨きを嫌がるお子さんもいます。その頃が仕上げ磨き卒業時期です。
    8~10歳の時期は、乳歯から永久歯に生え変わる時期にあたり、一番むし歯のリスクが高まります。しっかり歯磨きするのが難しい時期と言えます。
    お子さんがひとりで歯磨きできるようになったからと安心せずに、仕上げ磨きは続けてください。
    仕上げ磨きも含め、歯磨きは赤ちゃん時期からの日々の習慣が鍵となります。

まとめ

赤ちゃんをむし歯にしないために正しいお口ケアは必要です。でもそれ以上に、赤ちゃんを歯磨き嫌いにさせないことが大切になります。

歯磨きタイムがママ・パパとの楽しいコミュニケーションの時間になれば、幼児になり自分から歯磨きしたい!と言ってくれるようになりますよ。

むし歯予防は、乳幼児の習慣がその後に大きな影響を与えます。「しっかり磨かなくちゃ!」と気合を入れるのではなく、ママ・パパも赤ちゃんと遊びながら、楽しみながら歯磨きタイムを習慣にしていけるといいですね。

歯磨きをしてもらう赤ちゃんの写真

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