1歳過ぎの離乳食-歯科衛生士ミッキーの離乳食研究 一般的な離乳食と手づかみ離乳食の違い⑧-

酸っぱい顔をする赤ちゃんの写真
目次

1. 歯科衛生士ミッキーの離乳食研究とは

こんにちは!歯科衛生士のミッキーです。
私は10年以上にわたって、赤ちゃんの「噛む力」を育むための離乳食研究を行っています。

このブログでは、ミッキーの離乳食研究として、「一般的な離乳食」と「手づかみ離乳食」の違いについて、管理栄養士と共に研究を進めたときのお話をしています。

本日の研究テーマは1歳過ぎの一般的な離乳食と手づかみ離乳食の違いです。

一般的な離乳食では12ヶ月~18ヶ月頃の時期を離乳食完了期と呼びます。一般的な離乳食で言う、離乳食完了期に入ってきたAちゃんの様子を観察しました。

2. 離乳食完了期とは

一般的な離乳食の12ヶ月~18か月頃の離乳食完了期に行われる指導内容をご紹介します。

この頃は、手づかみ食べとスプーンなどの道具を使って食べるようになっていくと指導されます。

それまで手づかみ食べをしてこなかった赤ちゃんも、1歳を過ぎると手づかみ食べをさせるという家庭が多いようです。母乳や育児用ミルク以外の必要な栄養を食事から摂れるようになり、歯ぐきや歯を使って形のある食べ物をかみつぶせるようになる時期です。

3回の食事でとりきれないエネルギーは、午前と午後の間食で補うようにと指導されることもあるようです。

一般的な離乳食完了期は、食育実践予防歯科®メソッドの考え方のプレ幼児食®期にあたるステージです。

食育実践予防歯科®メソッドは月齢では進めません。プレ幼児食期のスタートは第一乳臼歯が生えた頃に、「食べない」など食の変化が見られるため、その時期に離乳食を卒業し、プレ幼児食がスタートする時期になります。

離乳食、幼児食のステップアップ表

3. 本日の離乳食研究:1歳過ぎの離乳食 

Aちゃんは生後1歳0ヶ月になりました。1歳過ぎのAちゃんが実食する様子を解説していきます。

Aちゃんは生後9ヶ月頃から手づかみ食べをはじめ、手づかみ食べと保護者の離乳食スプーン介助を併用してきました。

食育実践予防歯科®メソッドでは手づかみ食べをしている赤ちゃんはスプーン介助を嫌がりますので、ほぼ離乳食スプーンでの介助をしません。そのためAちゃんのケースは食育実践予防歯科®メソッドの離乳食とも少し違います。

離乳食を食べる赤ちゃんの写真

Aちゃんの保護者は手づかみ食べをしてほしかったので、Aちゃんに食具をできるだけ見せないようにしました。一般的な離乳食の完了期に当たる時期のため、スプーンを見せるとスプーンに興味を持ち手づかみ食べをしなくなることを避けるためです。

指先で掴む大きさのインゲン豆は掴みませんでした。観察をしているとAちゃん自身が持てないものは掴まないことがわかりました。

手で掴んだものは離すことができず握ったままでした。手を振って離そうとする仕草もみられました。

こんな時に保護者は「手を拭いてほしい」と勘違いをし、手から離そうとする仕草の度に手を拭いていると、それが日常化してしまう可能性があります。

赤ちゃんが「手を拭くこと」を要求してくると、手づかみ食べどころではなくなるので要注意です。

はじめてトマトを食べたAちゃんは、顔をくちゃくちゃにして「酸っぱい」を表現していました。

今までと違う行動として、入っていたお皿と同じお皿に戻すという行動をしました。離乳食研究をしていて1歳過ぎに見られる行動です。

また、深いお皿に入っているものは食べようとしませんでした。

これは、「中に入っているかも」という想像がまだできない発達段階のため、深いお皿だと中を直視しづらく中に食べ物が入っていることがわからなかったためだと考えられます。これにより、離乳食期に深いお皿は適していないということも証明されました。

Aちゃんは食べ終わったら、お皿を重ねる行動をしました。保護者に「お家で食べ終わると食器を重ねますか?」とお聞きしところ、「はい、します」との事でした。

離乳食検証を続けていてわかりましたが、お家で食べ終わった後に食器を重ねるご家庭は、1歳過ぎの赤ちゃんもAちゃん同様にお皿を重ねる行動をとることがあります。

これは家での観察により覚えたことを同じようなシーンで再現ができたのか、スタッキングカップでよく遊ぶ時期なので、物を重ねたくなったのかはわかりませんが、これも1歳過ぎの赤ちゃんにみられる行動です。

おちゃわんを重ねるあかちゃんの写真

Aちゃんの口の変化として第一乳臼歯が生え始めており、これは先述の通り、食べないなど「食の変化」が訪れるサインです。

食育実践予防歯科®メソッドでは、この歯が生えることを「離乳食卒業のタイミング」として捉えています。今後、Aちゃんの食べ方や食事内容がさらに変化していくサインでもあります。

. まとめ

1歳過ぎの赤ちゃんの離乳食は、一般的な離乳食と手づかみ食べ中心の方法で進め方が異なりますが、どちらにしても赤ちゃんの発達に合わせた工夫が大切です。

今回の観察では、Aちゃんの自然な成長に伴う行動が多く見られ、手づかみ食べの進め方によって経験の差により食事への興味や習慣が変わることが分かりました。

これからもお子さんの成長を楽しみながら、月齢に合わせるのではなく、お子さんにあった食事の工夫をしていきたいですね!

酸っぱい顔をする赤ちゃんの写真

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