人の真似-歯科衛生士ミッキー離乳食&幼児食研究 手づかみ離乳食からプレ幼児食®へ②-

クリスマス仕様の離乳食の写真
目次

1.歯科衛生士 ミッキーの離乳食・プレ幼児食®研究とは 

こんにちは!歯科衛生士のミッキーです。 
私は10年以上にわたって、赤ちゃんの「噛む力」を育むための離乳食研究を行っています。 

その研究の結果離乳食からいきなり幼児食に移行するのではなく、「噛む子を育む」ためにはプレ幼児食®という移行食が必要だということがわかりました。 

このブログでは、 今まで「一般的な離乳食」と「手づかみ離乳食」の違いについて、管理栄養士と共に研究を進め、一般的な離乳食から手づかみ離乳食への移行をまとめてきましたが、離乳食からプレ幼児食®に移行したので、これからはプレ幼児食®の検証をまとめていきます。 

本日の研究テーマは「人の真似」です。 

2. 1歳半から2歳のまねっこ期 
「マネしたい!」がいっぱい“まねっこ期”のすごい成長力 

1歳半を過ぎたあたりから、「見たままをやってみたい!」 そんな姿がぐんと増えてきます。 

この時期の子どもは、好きな人のしぐさや言葉、友達の遊びなどを真似し、社会的な振る舞いを学びます。 これは、周囲の行動を理解し、社会性を身に着けようとする健全な成長の一環です。 周りの人たちの動作を見て真似ようとすることは、周囲を見ている・関わろうとしているということです。 

1歳7ヶ月のMちゃんもそんな「人の真似」が今回の検証で多く見られました。 

この時期の子どもたちは、周りの大人を“先生”として観察しています。

  • ママが笑うと、一緒に笑う 
  • お友達が泣くと、心配そうに見る 
  • 「いってきます」と手を振る 

など 

このかわいい仕草や行動の裏には、「社会性」や「共感力」、「模倣による学び」などが詰まっています。 

真似をすることで、

  • 言葉のリズムやイントネーションを覚えます。
  • 手先や体の使い方を学びます。
  • 感情表現の幅もどんどん広がっていきます。 

真似してやってみた行動を見逃さず、「できたね!」「ママと同じだったね!」と声をかけてあげると、自己肯定感がぐんと育つと言われています。 

この“真似っこ期”は、食卓でも多く見られます。 
「自分もやってみたい」→「できた!」→「もっとやりたい!」 
という好循環を作るチャンスです。 

真似した行動が見られたときは、ぜひ積極的に声をかけてあげてください。 

3.今日のプレ幼児食®研究:人の真似 

12月ということでクリスマスの雰囲気を感じられるメニューにしました。

今回のメニューはずっと一緒に検証モニターをしてくれている3歳児Hちゃんと同じメニューの幼児食を提供しました。

プレ幼児食より少し硬めのメニューです。本日は「人の真似」にスポット当てお伝えします。 

Aちゃん(1歳7ヶ月)の今日の様子 

【1歳7ヶ月Aちゃんの食卓から見えた“まねっこ成長”】 

今日のAちゃんの様子をご紹介します。 

Aちゃん(1歳7ヶ月)は、第一乳臼歯が4本そろっています。 
ちなみに一緒にいた3歳のHちゃんは、第二乳臼歯まで4本そろっています。 
この「奥歯の生え具合」の違いが、噛めるもの・噛みにくいものの違いにもつながります。 

まずはお皿の上のクルトンに手を伸ばしました。 
カリッという音が楽しかったのか、リズミカルに「カリカリ」と噛んで、うれしそうに「うまっ!」。 
この「うまっ!」は、なんとパパの口ぐせのまねっこです。 

次にブロッコリー。 
Hちゃんと同じ硬さのブロッコリーをガリガリとかじっていましたが、Aちゃんにとっては少し硬め。 
前歯でかじり取ることはできても、うまく飲み込めずに「べーっ」と出していました。 
1歳代のお子さんは、奥歯(第二乳臼歯)がまだ生えていないため、硬いものを“すりつぶす”ことが難しい時期です。 

食事をする赤ちゃん

ごはんは普通のかたさでしたが、Aちゃんはあまり進まず。 
食べても2〜3回もぐもぐして飲み込んでいました。 
この時期に硬いごはんを続けていると、「噛まずに飲み込む」癖がついてしまうこともあるので、少しやわらかめがおすすめです。 

プチトマトには、ツナマヨを詰めてみました。 
いつもは中身をチューチュー吸って食べているそうで、 見た目が違うことに戸惑い、最初は手から離してしまいました。 

しばらくしてからまた手に取り、ペロッとなめてみると、 マヨネーズの酸味に「すっぱい顔」! 
表情豊かに味を感じられるのも、この時期ならではの反応です。 

ママが「卵は?」と声をかけると、オムレツをツンツンして「いらない」とはっきり。 
卵スープのようなやわらかい卵は好きとのこと。 
Aちゃんは、オムレツの“硬さ”を感じ「これは食べられない」と自分で判断したのかもしれません。 

一方でHちゃんは「おいしい〜」とパクパク。 
その様子を見て周りの大人たちが笑顔になると、Aちゃんもつられてニコニコ 食卓を囲むことで、子どもたちは“食べる”以上にたくさんのことを学んでいるのだと感じました。 

笑顔で食事をする赤ちゃん

その後、Hちゃんがママに内緒話をしていると… 
Aちゃんもその様子を見て、ママに「内緒話ごっこ」。 
みんなが笑うのがうれしくて、次は周りの大人にも内緒話のまねっこをしていました。 

笑顔で内緒話ごっこをする赤ちゃん

そして30分ほど経つと、Aちゃんはプチトマトで遊びはじめました。 
顔にペタペタしている姿は、なんとママがお化粧をしている時のまね! 

食事をする赤ちゃん

しばらくしてプチトマトをつぶしてしまうと、Hちゃんが「トマトつぶしちゃった」と声を出しました。 

この様子を見て、社会性の振る舞いを学び始めた1歳7ヶ月のAちゃんと、社会性の振る舞いが出来るようになった3歳のHちゃん。 

2人の様子から「食卓での学びの深さ」を教えてもらっているようでした。 

4. まとめ 

今回のテーマ「人の真似」には、子どもの成長の大切なエッセンスがたくさん詰まっていました。 

1歳7ヶ月のAちゃんは、まだ小さな体とお口で、目の前の世界を“まね”を通して学んでいます。

パパの「うまっ!」という口ぐせ、ママのお化粧のしぐさ、 Hちゃんの内緒話——。 
どれもAちゃんにとっては「まねをしてみたい!」と感じる大切な教材です。 

真似をするということは、“相手をよく見ている”ということ。 
つまり、周りの人や状況に興味を持ち、関わろうとする「社会性の芽」が育ち始めているサインです。 

また、食卓という日常の場面の中には、 「食べる力」だけでなく「心を育む力」もたくさん隠れています。 

誰かと笑い合う時間、同じものを食べて感じる時間——そのひとつひとつが、子どもたちの中で“生きる力”として積み重なっていきます。 
だからこそ「食卓を家族で囲む」大切さがあるのだと私は思います。 

クリスマス仕様の離乳食の写真

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