離乳食スタートまでに絶対にしておきたい4つの準備-歯科衛生士ミッキーの離乳食研究 一般的な離乳食と手づかみ離乳食の違い③-

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目次

1. 歯科衛生士 ミッキーの離乳食研究とは 

こんにちは!歯科衛生士のミッキーです。 
私は10年以上にわたって、赤ちゃんの「噛む力」を育むための離乳食研究を行っています。 

このブログでは、ミッキーの離乳食研究として、 「一般的な離乳食」と「手づかみ離乳食」の違いについて、管理栄養士と共に研究を進めたときのお話をしています。 

前回までの研究はこちら↓

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本日の研究テーマは「離乳食スタートまでに絶対にしておきたい4つの準備です。 

離乳食を順調に進めるために、離乳食スタートまでにやっておいてほしい事があるんです。それを積極的に行うことが大事だと今までの離乳食研究で実感しました。でもそれは、一般的な離乳食指導ではお伝えしていないものがほとんどだと思いますので、今回はその内容について解説していきますね。 

2. 離乳食スタートまでに絶対にしておきたい4つの準備 

①くちびるを閉じて飲み込むことができる体づくり 

離乳食が始まるということは、それまでのミルクのような液体だけではなく、固形物を食べ始めるということです。赤ちゃんにとってそのステップは大人がイメージするよりもハードルが高いものだと言えるでしょう。 

離乳食をスタートするまでに絶対にして欲しい準備の一つ目は、赤ちゃんがくちびるを閉じて、固形物を飲み込むことができる体づくりです。具体的には、支えなしに一人で座った状態をキープできる体の状態、つまり「お座り」ができるようになって欲しいということです。 

一般的な離乳食は、10倍粥つぶしという固形物からスタートします。そのため、お座りができることが必須と言えるでしょう。 

食育実践予防歯科®メソッド手づかみ離乳食のスタートは、母乳やミルクの液体からいきなり固形物へ移行するのではなく、液体と固形の中間の重湯から始めます。赤ちゃんの体に負担がないよう、固形物を飲み込む術をなだらかに獲得していって欲しいという理由からです。 

重湯を飲み込める体の状態は、必ずしもお座りができていなくでもよいのです。両手を床について支え、足を前に投げ出して座れる状態、いわゆる「犬座り」という座り方ができれば重湯を飲み込むこができます。犬座りは体勢が安定しませんので、長時間座らせると赤ちゃんに負担がかかってしまいます。重湯を与える時は、保護者の膝の上か、椅子にタオルなどを挟んで体が傾かないようサポートしてあげるのがよいでしょう。 

重湯をスムーズに飲み込めるようになったあとは10倍粥つぶしに進みますので、この頃にはやはり、自分の力のみでお座りができる体になっている必要があります。 
 
お座りができるようになるには、首がしっかり座り、背中や腰の筋肉が十分に発達してバランスを取れることが大切です。

そのためには床で遊び、赤ちゃん自身が背中や腰の筋肉の鍛える必要があります。 

赤ちゃんは欲求を満たすために体を動かすようになります。そのため、適度な刺激が必要です。

おとなしい赤ちゃんで楽だからと言って寝かせっぱなしにしておくと、筋肉が鍛えられず体が育っていきません。

ママ・パパやきょうだいがそばに来て関わったり、おもちゃを見せたりにぎらせたりするなど、赤ちゃんの五感を刺激する工夫をするのがよいでしょう。 

私が出会ってきた赤ちゃんの中には、赤ちゃん自身は体を使う力を持っているのに、体のパーツをうまく使えていないケースがありました。

赤ちゃんははじめ、自分の体の存在を意識できていません。

「シェルハブ・メソッド」では、脳の中に「体の地図」を作ることが大切だとし、体のパーツがどこにあるのかを赤ちゃん自身が把握するところから始まると言います。

把握しても上手に動かせていない子に対しては、大人がその部分に刺激を与えることで、自由に動かせるようになっていきます。専門家の先生から「体の使い方の引き出し方」を学んだ赤ちゃんが、すぐにハイハイやお座りを獲得する場面を何度も目の当たりにしてきました。 

一般的な離乳食でも食育実践予防歯科®メソッド手づかみ離乳食でも、固形物を食べ始めるまでには赤ちゃん自身の力のみでお座りができる体づくりをしていくことが大切です。それは離乳食を順調に進めていくために最も大事なことと言えるでしょう。 

②おもちゃ舐め 

生後3か月ごろになって手足が自由に動かせるようになると、自分の手を口に持っていって舐めるという行動をします。もう少し成長して生後4ヶ月頃になると、おもちゃを指にひっかけて舐めるという行動が始まります。こうすることで、口の中に異物が入ることに慣れるのに役立ち、離乳食で固形物が口に入ることへの抵抗が少なくなることにも繋がっています。 

また、おもちゃ舐めの刺激によってたくさんの唾液が出てきます。唾液を自然に飲み込むことは、離乳食を飲み込むことの事前練習にもなっています。 

離乳食研究でモニターの赤ちゃんを観察していると、積極的におもちゃ舐めをしてきた赤ちゃんとおもちゃ舐めをほとんどしたことのない赤ちゃんでは、離乳食スプーンで初めて食べ物を与えた時に違いが見られました。 

積極的におもちゃ舐めをしてきた赤ちゃんの場合

積極的におもちゃ舐めをしてきた赤ちゃんは、初めて離乳食スプーンが下唇に触れた時にも反応し、お口が自然と開き、そのあと上唇がおりてきます。数回行うと、上手に自身のくちびるで食べ物を取り込むことができるようになりました。 

おもちゃ舐めをほとんどしたことのない赤ちゃんの場合

逆に、おもちゃ舐めをほとんどしたことのない赤ちゃんは、離乳食スプーンが下唇に触れた時に戸惑い固まってしまいました。全くくちびるを動かさなかったり、口を開けっ放しだったり、いろいろです。おもちゃ舐めを経験していない赤ちゃんは、食べ物を口に取り込むことを学ぶまでに少し時間がかかってしまします。 

おもちゃ舐めの延長に歯固めがあります。前歯が生える頃になると、赤ちゃんは歯茎が痛くなったり、ムズムズしたりといった違和感や不快感を覚えます。これを解消するために使用するのが歯固めです。噛むことで不快感を解消し、イライラする気持ちを紛らわせることができます。 

大人は経験から、物を見れば自然と硬そうだとかやわらかそうだとか、どう扱ったらいいかなどを認識することができますが、赤ちゃんにはまだ判断ができません。

赤ちゃんは口に入れて、硬さややわらかさ、扱い方などを学習していきますので、赤ちゃんの成長過程において、おもちゃ舐めを積極的に取り入れてみてください。 

「口で学習していく」と言われるくらい、この時期の赤ちゃんは何でも口に入れてしまいますので、口の中に入れて危険なものは赤ちゃんのまわりに置かないようにしましょう。 

③生活のリズムを整える 

赤ちゃんの生活リズムを整える意識をもっているでしょうか。

生活リズムを整えることは、離乳食がスムーズに進んでいくことにも繋がります。離乳食がスタートしてから生活リズムを整えようとするのではなく、その前から授乳と睡眠を中心に考えていくのがよいでしょう。 

生後1カ月までの赤ちゃん
授乳は1日に8~10回と多く、間隔も2~3時間おきと短いです。
生後3ヶ月頃の赤ちゃん
授乳は1日に6~10回くらい、間隔も長くなります。成長と共に少しずつ授乳間隔が長くなっていきます。
生後4ヶ月頃の赤ちゃん
昼夜の区別がつくようになり、授乳間隔のリズムができてきて、生活のリズムもだんだん整ってくるようになります。 

離乳食が始まると、赤ちゃんの生活に「食事」という要素が入ってきます。

離乳食は1回食から2回食、3回食と進み、食べる回数が増えていきます。3回食にもなれば食べる量も増えてきます。

赤ちゃんの胃は6ヶ月~12ヶ月頃で200~300mlくらいの大きさになります。それは鶏卵2個ほどの大きさしかありません。ですから、授乳でお腹がいっぱいであれば、本来食べられる量であったとしても食べない(食べられない)こともあるでしょう。 

離乳食研究でよく聞く話ですが、離乳食の直後に授乳をしていたり、授乳のリズムができていなかったりする赤ちゃんは離乳食の食べる量が増えていかず、離乳食が進まない傾向にあります。 

生活のリズムは突然整うわけではありません。離乳食が始まるまでにママ・パパが意識して赤ちゃんの生活リズムを整えることを目指したいものです。 

④保護者の姿勢を整える 

保護者の姿勢と離乳食にどのような関係があるのか疑問に思う方が多いのではないのでしょか。赤ちゃんの時期は抱っこすることが多いと思います。

保護者の姿勢が悪いと、抱っこの時に赤ちゃんが吊り下げられた状態になってしまうことが多く、赤ちゃんの首と頭が後ろに反ってしまいます。常にあごが上がった状態とも言えます。ぜひご自身でこの体勢になってみてください。あごが上がると同時に舌が下がってしまうことがわかるでしょう。 

赤ちゃんの首が反り、あごが上がる状態で抱っこする習慣がつくと、赤ちゃんの首の後ろや肩まわりの筋肉がどんどん緊張し、収縮していきます。すると、口の中で舌が正しい位置に収まらず、口が開きやすくなり、いわゆる「お口ポカン」の状態になってしまします。抱っこの姿勢だけでなく、授乳時の姿勢にも同じことが言えます。 

舌が下がると舌の動きが悪くなり、お口が開くと口の周りの筋肉も弱くなってしまいます。赤ちゃんがミルク・母乳を飲む際には、舌を前後に動かし、乳首をしごいて飲みます。舌が上手に動かないということは、ミルク・母乳を飲みづらくなるということです。

さらに月齢が進み、固形物を食べるようになった赤ちゃんのお口は、前歯がちょこんと生えているくらいで、まだもぐもぐ噛める状態にはなりません。その時期は、舌を上あごに付けて食べ物を押しつぶして飲み込みます。

離乳食は舌を自由に動かせないと、上手に食べ進められず、食材のステップアップが難しくなってしまうのです。 

赤ちゃんのためにも、まずは保護者の姿勢を専門家に整えてもらったあとで、抱っこと授乳の姿勢についても、その道の専門家から指導を受けることをおすすめします。 

私のおすすめの専門家を紹介します。 

一人目は、「リフレッシュカイロみるて」代表のカイロプラクターで、むし歯予防マイスター®でもある大庭真里氏。ホワイト歯科クリニックで毎月第1木曜日に産後ママを対象とした施術を行っています。 

2人目は、育母塾代表、まぁるい抱っこの辻直美氏。オンライン講座も充実していますので、ぜひ検索してみてください。 

3. まとめ 

離乳食開始前に絶対にやってほしい準備として、4つ紹介しました。やはり一番は、くちびるを閉じて飲み込むことができる赤ちゃんの体づくりです。固形物を飲み込むには首や背中の筋肉を発達させ、安定して座れることが不可欠です。赤ちゃんが自分でお座りできる体になるよう、床やおもちゃでたくさん遊ばせてみてくださいね。 

母歯ネットワークのサポートもありますので、興味のある方はホームページの「ママ・パパはこちら」からご覧ください。お問合せは「公式LINEはぐかむ®」よりお待ちしています。 

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