
1.歯科衛生士ミッキーの離乳食・プレ幼児食®研究とは
こんにちは。歯科衛生士のミッキーです。
私は10年以上にわたり、赤ちゃんの「噛む力」を育むための離乳食研究を続けてきました。
その中で、離乳食からいきなり幼児食へ移行するのではなく、「噛む子を育む」ためには**プレ幼児食®**という移行期の食事が必要であることがわかってきました。
このブログではこれまで、「一般的な離乳食」と「手づかみ離乳食」の違いについて、管理栄養士と共に研究を進め、一般的な離乳食から手づかみ離乳食への移行についてお伝えしてきました。
現在は、プレ幼児食®期の検証をお伝えしています。
本日の研究テーマは
**視覚的要素(形状変化)が摂食行動に与える影響 ― 熊の形のハンバーグは食べるのか? ―**です。
2.キャラ弁への興味
今回の検証は「キャラ弁」を参考に設定しました。
キャラクターの認識や「かわいい」という感覚は、2〜3歳頃から芽生え、幼稚園や保育園に通う未就学児期に広がっていきます。
特にキャラ弁に強い興味を示すのは3〜4歳頃で、その後は徐々に減少していく傾向があるといわれています。
興味を示す理由としては、視覚的な楽しさや愛着が大きく関係しています。
好きなキャラクターが食事に登場することで、食事の時間そのものが楽しみになり、食べる意欲につながります。
また、苦手な食材であっても、形が変わることで「ちょっと食べてみようかな」という気持ちが生まれ、偏食の改善につながる可能性もあります。
一方で、食育の観点からは、栄養バランスが偏りやすいという側面もあるため、キャラ弁はあくまで
食事を楽しむきっかけとして取り入れることが大切です。
3.本日のプレ幼児食研究: 視覚的要素(形状変化)が摂食行動に与える影響
― 熊の形のハンバーグは食べるのか? ―
Aちゃん(2歳2か月)の今日の様子です。
本日は、ミートボールを食べなくなったAちゃんに対し、同じひき肉を使用し、形を熊のキャラクターに変えた場合、興味を示し食べるかどうかを検証しました。
Aちゃんはまず、大きな人参に手をのばしました。
得意げに人参を持ち上げましたが、手からするっと落ちてしまいました。
以前であれば、落ちた人参に気づくことは難しかったのですが、今回は自分で見つけて拾い、再び持ち上げ、最後はパクッと食べました。
この姿からも、発達の積み重ねが感じられます。
ハンバーグの付け合わせとして、星型に切り抜いた人参は焼いて提供しました。
形に興味を示して手に取り、口まで運びましたが、Aちゃんにとっては硬かったようで、食べることはできませんでした。
同じ食材でも、調理方法や硬さによって「食べられる・食べられない」が変わるのも、プレ幼児食®期の特徴です。

次に、熊の形のハンバーグに興味を示しました。
「め」と言って目の部分のチーズを食べ、
「お耳をパクッ」と声をかけると、耳の部分を食べました。
人の言葉を理解し、行動につなげる様子が見られます。
ミートボールは食べなくなっていたAちゃんですが、同じひき肉でも形を変えることで食べることができました。
キャラ弁の要素が有効に働いた場面といえます。


その後、Aちゃんは突然後ろを向いて食べ始めました。
このような場面で、大人はつい「前を向いて食べなさい」と声をかけてしまいがちです。しかし、2歳児の発達段階を考えると、その声かけが適切かどうかは慎重に考える必要があります。
少しずつ言葉の理解が進む時期ではありますが、「理解できること」と「行動できること」はまだ一致しません。
この時期の食事で大切なのは、まず「楽しく食べること」です。
そのためには、口の機能に合った柔らかさや大きさといった要素も、とても重要になります。

まとめ
今回の検証から、
- 形を変えることで食べるきっかけが生まれること
- 同じ食材でも、硬さや調理方法によって食べやすさが変わること
- 発達段階に応じた関わりが必要であること
が見えてきました。
ミートボールを食べなくなっていたAちゃんが、 熊の形にすることで、自分から手を伸ばし、楽しそうに食べる姿。
その変化は、「食べさせる工夫」というよりも、 その子の発達や気持ちに寄り添った関わりの結果だと感じています。
食べることは、ただ栄養をとる行為ではなく、 「できた」「たのしい」「もう一回やってみたい」といった体験の積み重ねです。
プレ幼児食®の時期は、まさにその土台を育てる大切な時間。
ほんの少しの工夫で、食べることが楽しい経験に変わる。
その積み重ねが、「噛む力」だけでなく、「生きる力」を育てていくのだと思います。
これからもプレ幼児食®の視点から、 「噛む子を育む」ヒントをお伝えしていきます。

